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川辺駿「広島に帰ってきてよかった」 スイスとベルギーで学んだワンタッチでボールをさばく技術 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【肌で世界基準を知ることができた】

── 海外での厳しい環境下で、一番意識したのはどういったことですか。

「ワンタッチでプレーする機会は増えましたね。そのためにはやっぱり準備が必要だし、ポジショニングや周りを見ることをより意識しました。逆にワンタッチのタイミングで周りが動いてなかったら、要求をしないといけない。自分が生きるうえで重要なことだと思ったので、日本にいた時よりも主張は強くなったと思います」

── ヨーロッパでプレーした3シーズンの中で、一番印象に残っていることは何ですか?

「僕がプレーしていたリエージュとアンデルレヒトは同じ町ではないんですけど、ベルギーではナショナルダービー的な雰囲気があって。だから、アンデルレヒトとの試合はサポーターからの圧もすごかったし、実際にピッチに立つとほかの試合とは別物でしたね。

 なかなか感じることのできない雰囲気のなかでプレーして、そこでゴールを取れたのは自分にとってすごく大きかったです。今までのキャリアのなかでも一番印象に残る試合になったと思います」

── プレミアリーグでプレーしたいという目標があった、と話されていましたが、そのチャンスがあったわけですよね? ウルバーハンプトンと契約を結びましたから(2022年1月にスイスのグラスホッパーからウルバーハンプトンに加入するも、その後もレンタルされてグラスホッパーでプレーした)。

「そうですね。契約させてもらって、練習も2週間ぐらい行きました。だけど、やっぱりプレミアリーグのチームのレベルの高さは、ちょっと次元が違いました。そのレベルを肌で感じて世界基準を知ることができたのはよかったですけど、やっぱりあの舞台でプレーしたかったという思いはあります」

── 行く前に思い描いていた海外移籍になったのでしょうか?

「プレミアのクラブと契約する選手は、日本人だとまだ多くないなかで、スイスに行ってから半年で契約できたのはうれしかった。ヨーロッパのサッカーシーンに身を置いているという実感も湧きました。

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