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川辺駿「広島に帰ってきてよかった」 スイスとベルギーで学んだワンタッチでボールをさばく技術 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【躊躇なくファウルで止めてくる】

── そもそも2021年に、どういう思いで海外に行かれたのでしょうか?

「若い頃から海外には行きたいと思っていました。違う環境だったり、レベルだったり、やったことのない選手たちとプレーするなかで、異なるサッカーを肌で感じたかったんですよね。最終的にはプレミアリーグでプレーしたいという大きな目標を持って、スイスに旅立ちました。

 今でこそヨーロッパに行く選手は増えましたけど、やっぱり行くのと行かないのとでは、ぜんぜん違うなと。サッカーもそうだし、サッカー以外の部分でも人間としての深さだったり、強さだったりというものを感じることができたのはよかったですね」

── スイス、ベルギーと3シーズンプレーしたなかで、どのあたりが成長できたと感じていますか。

「ポジション的にはインサイドハーフだったり、トップ下だったり、シャドーだったり、攻撃的なポジションでプレーしていたので、数字が求められるのは理解していました。ふたケタ(得点)までは取れなかったですけど、ある程度は結果を出すことができました。

 得点を奪う力は磨かれたと思いますし、意欲も高まったと思います。点が入った瞬間の喜びや盛り上がりは、日本では感じられないものがあったので、攻撃的なポジションでプレーする以上は毎試合ゴールを取りたいと思っていました」

── 逆に難しいと感じたところは?

「やっぱり能力の高い選手が多かったので、個の力というものを痛感させられましたね。特にベルギーの上位のチームには能力の高い選手が多かったです。フィジカル能力の高さだったり、単純なスピードだったり、慣れるまでに少し苦労しました。

 向こうの選手は日本とは違って、躊躇なくファウルで止めてくるんですよ。イエローをもらわない程度のファウルをどんどんしてくるので、そういうプレーに対応するのも難しかったですね。ただ、そこは自分も学びましたし、試合を重ねるなかでプレースピードや判断スピードにも対応できていったと思います。そこも成長できたところかなと」

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