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J2ウォッチャー・平畠啓史の2024シーズンプレビュー 躍進期待の注目の4チーム (5ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu

【注目チーム④/鹿児島ユナイテッドFC】

 まず白波スタジアムの盛り上がりがいいですよね。お客さんも結構入っていて、雰囲気がいいんですよ。去年は特に終盤に点が入ったりすることが多くて、スタジアムが徐々に盛り上がっていく感じがすごくいい。

 バックに桜島があって独特のロケーションというのもありますが、スタジアムの雰囲気はぜひ見てもらいたい。地域にだんだん定着しているのが感じられますね。

 J3では攻撃的で右にMF五領淳樹、左にFW米澤令衣選手がウイング気味に外に張って、そこから攻撃していました。横浜F・マリノスみたいにスピードと躍動感がある攻撃的なサッカーだった。それがJ2のなかでもうちょっと守備的にするのか。どういうサッカーを見せてくれるのか楽しみです。

 もうひとり見てほしいのが、19歳のFW武星弥選手です。鹿児島U-18からの選手です。ユース上がりの選手って、技術に特化しがちになることが多い気がするんですが、武選手は若いけど体がしっかりしていて推進力があるんですよ。

 テクニックに甘えないというか、どんどん仕掛けていく。攻撃的なポジションは、いろいろなところができると思います。去年は途中出場が多かったですが、今年どれだけ出番がもらえるか。

 東海学園大から加入して3年目のFW福田望久斗選手もドリブルが面白い。ドリブルの面白さを表現できる選手。鹿児島はサイドに面白い選手がいるんですよ。そこもぜひ見てもらいたい。

 みなさんご存知FW藤本憲明選手は、今年から10番になりましたね。今、セルティックにいる古橋亨梧選手みたいに、一瞬で相手の裏を取るとか、クロスに対して相手より先に触って点を取るとか、「ザ・FW」的な動きをみなさんに見てもらいたいですね。

 新加入だと、ツエーゲン金沢からMF藤村慶太選手の加入は相当大きいですね。攻守で中心として働けて、ゲームを作れる選手です。MF木村祐志選手とMF中原秀人選手が鉄板ダブルボランチなんですが、藤村選手の加入でここの層が厚くなった。

 さらにDF井林章選手も入ったので、ヘディングも強くなりバックラインも強くなった。さらに中盤の狭いところでも技術を出せるMF田中渉選手も加入したので、これまでの鹿児島にはなかったような、中央での崩しもできるようになるのかなと。

 あとはFC岐阜でも点を取っていたFWンドカ・チャールス選手も加入しました。ウイングを使ったサッカーも楽しみだけど、J2仕様になった鹿児島がどんなサッカーをするのか楽しみですね。

平畠啓史 
ひらはた・けいじ/1968年8月14日生まれ。大阪府出身。芸能界随一のサッカー通として知られ、サッカー愛溢れる語り口が人気で、多くのサッカー関連番組の出演中。平畠啓史Jリーグ56クラブ巡礼2020 日本全国56人に会ってきた」(ヨシモトブックス)など、サッカー関連の著書も多い。

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