J1全順位を大胆予想! 識者5人の大半が優勝候補に挙げたチームとは? (4ページ目)

川井監督3年目の鳥栖が"番狂わせ"を起こすか
優勝候補はプレシーズンの評価が高い浦和

小宮良之氏(スポーツライター)

1位 浦和レッズ
2位 川崎フロンターレ
3位 サガン鳥栖
4位 サンフレッチェ広島
5位 横浜F・マリノス
6位 ヴィッセル神戸
7位 鹿島アントラーズ
8位 名古屋グランパス
9位 北海道コンサドーレ札幌
10位 セレッソ大阪
11位 アビスパ福岡
12位 FC東京
13位 FC町田ゼルビア
14位 アルビレックス新潟
15位 柏レイソル
16位 ガンバ大阪
17位 京都サンガF.C.
18位 湘南ベルマーレ
19位 東京ヴェルディ
20位 ジュビロ磐田

 これは予想順位ではなく、希望順位に近い。

 昨年の順位、プレシーズンマッチの結果、そしてチーム予算などのデータを総合し、人工知能にでも答えを出させたら、当たる可能性は必然的に高くなる。強い、普通、弱いを、20%、60%、20%で分類。その構造のなかの微調整だ。

 しかし個人的には、それが当たるようならJリーグの低迷は続く、と考えている。なぜなら、このスポーツの興味は"番狂わせ"にあるからだ。

 新興チームが新しいうねりを生み出せるか。パーソナリティ、様式、コンセプトが問われる。たとえば、今シーズンの欧州サッカーだったら、スペインのジローナ、ドイツのレバークーゼン、イングランドのアストン・ビラ、デンマークのFCコペンハーゲンのように、創意工夫で強豪を倒す存在が必要だ。

 その点で、Jリーグでは鳥栖に注目したい。

 鳥栖は川井健太監督の3年目。知恵を絞り出し、勇気をもって戦ってきた。過去に所属選手の多くがキャリアハイを記録。長沼洋一は両サイドアタッカー、シャドー、ウィングバック、左右サイドバックというポリバレントでふた桁得点を叩き出し、DF山崎浩介はタックルや空中戦勝利などの数字でもトップ、朴一圭のゴールキーピング力もリーグ屈指だ。FWマルセロ・ヒアン(横浜FC→)、MF中原輝(東京V→)、DF木村誠二(FC東京→)など新戦力が化学反応を起こせたら、優勝争いのダークホースになるだろう。

 プレシーズンで好評なのが浦和だ。

 とにかくディフェンスが堅く、得点力も計算できる。GK西川周作、右サイドバックの酒井宏樹は同ポジションでJリーグトップ。アレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテンのCBは堅牢。アンカーのサミュエル・グスタフソン(BKヘッケン→)も守備力が高い。そして、オラ・ソルバッケン(ローマ→)、チアゴ・サンタナ(清水エスパルス→)、前田直輝(名古屋→)の3人の新加入アタッカーは破壊力十分だ。

 川崎は新FWエリソン(サンパウロ→)が攻撃的スタイルに適合し、怪物ぶりを発揮できるか。広島は継続政権で安定した戦いが担保されるだけに、優勝に向けては新スタジアムの気運次第。昨季、一昨季王者の神戸、横浜FMの戦力的強さは一目瞭然だが......。

 有力な日本人選手の多くが海を渡るなか、波乱を起こす存在の台頭が望まれる。 

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る