「Jリーグ秋春制」中村憲剛&佐藤寿人はどう思う?「真夏のプレーは酷」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

── そういったカレンダー的な問題もありますし、単純に真夏の暑さのなかでプレーするのは見ていても酷(こく)だなと思います。年々暑くなっていくなかで、選手の立場からすれば相当厳しいんじゃないですか。

憲剛 その点に関して言うと、かなり厳しいと思います。ここ数年の夏場の連戦は、練習も含めて本当にやばいなと思っていました。

寿人 やばいですよね。今回出ている案では開幕が8月なので、「結局、夏もやるんでしょ」という声もあるみたいです。スタートが夏と、疲れが溜まってきたなかでの夏の試合とでは、全然違いますよね。

憲剛 そこは感覚値だけじゃなくて、実際にデータにも出ていますから。もちろん夏開幕にすると、そのぶん雪の降る時期に試合をしなくちゃいけないという問題も出てきますけど、そこはウインターブレイクを入れることになるでしょうし。ただ、ウインターブレイクを入れたら、今度は過密スケジュールが問題視される可能性もある。

── すべての意見を取り入れて、全員が納得する形にするのはちょっと難しいですよね。

憲剛 もちろんいろんな声は聞きますけど、現状では叶えられるものと、叶えられないものがある。ただ、これからもいろんなことが起こるでしょうけど、それをみんなで解決しながら、いい形に進めていけばいいんじゃないのかなと思います。

寿人 いや、そうなんですよ。全員が納得するのは難しいと思います。だからひとまず、やりながら一番いい解決策を見つけていきましょうっていう感じで進めていかないと、何も変わらないまま時間だけが進むだけで。

 そこはたぶん、ノノさん(野々村芳和チェアマン)がいろんな意見を受け止めながら進めてくれるんじゃないかなっていう期待はあります。ノノさんは選手側の感覚も、経営者側の感覚も、積雪地域のクラブ(北海道コンサドーレ札幌)の社長としての感覚も持っている方ですから。リーグのトップとして、よりいい形を作っていってほしいですね。

(第18回につづく)


【profile】
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都小平市出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに加入。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグMVPを受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。

佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。

著者プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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