「Jリーグ秋春制」中村憲剛&佐藤寿人はどう思う?「真夏のプレーは酷」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

 シーズン移行に対しては、いろんな声があるじゃないですか。「雪国のクラブはどうするんだ」「夏に開幕するのか」「学校の問題は?」とか、いろんなハードルがある。でも、1回やってみないと、何が問題なのかっていうのが見えてこない部分もあると思うんですよ。

 たぶん、シーズンを変えてもすぐに完全なものはできないでしょう。だけど、やりながら、いろんなものを調整しながら、進めていかなきゃいけない時期なんだろうなって、個人的には感じています。

── 寿人さんはシーズン移行の推進派なわけですね。

寿人 僕はもともと「秋春制は無理でしょう」と思っていた側なんですよ。やっぱり広島が積雪のある地域だったので。練習場に雪が積もることが頻繁にあったなかで、1月、2月にサッカーをすることは難しいなと思っていました。

 でも今回、シーズン移行が本格的に検討されていくなかで、そういった課題に対して向き合っていけばいいのかなと思うようになってきました。地域ごとに抱える課題は違うはずですけど、そこに向き合わないより、解決策を考えていくほうが建設的じゃないですか。

 選手の視点で言えば、やっぱりいいパフォーマンスを発揮しやすい環境にしていくことが大事ですし、クラブやリーグのことを考えれば、ACLで勝って、クラブワールドカップに出ることでお金が入ってきてリーグ全体が潤うのであれば、やっぱり進めていかなきゃいけないテーマだなと感じています。

── 寿人さんが会長をされていた当時、選手会としてはどういう意見だったんですか。

寿人 当時は賛成も反対もなくて、シーズン移行によって生じる課題を考えることが多かったですね。たとえば、シーズンを移行する時に半年のズレが出てくるので「その間のお金の保証はどこがやるんですか?」とか。

 また、新卒選手の加入タイミングのズレも含めて、解決しなきゃいけないことが多かったので、あくまでも選手の環境改善を軸に話をしていましたね。ただ、その時はACLが今のフォーマットじゃなかったので。今年の形だといろいろとズレているじゃないですか。

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