ガンバ大阪・谷晃生が海外挑戦を決めたわけ「日本人GKでも戦える、という姿を示さないと」 (3ページ目)
コンディションはいい。今シーズンのJ1では開幕戦から先発のピッチを預かってきたものの、13節以降は東口にポジションを明け渡している状況だが、「やることは変わらない」と自分に矢印を向けて、日々自身の成長を求めてきたからだろう。
本人も「6月くらいからもう一段階、グッと上がったのを感じた」と話しているとおり、最近はコンディションの充実に伴って、湘南時代を思い出させるような"らしい"パフォーマンスを取り戻した感もある。それを最初に実感したのが、ルヴァンカップ第6節(6月18日)のセレッソ大阪戦だ。
この試合で谷は、立ち上がりから安定したパフォーマンスを披露。前半18分には好位置からの相手のFKを弾き出すと、1点のリードで折り返した後半57分にも、左クロスボールに頭で合わせた加藤陸次樹のシュートを左手一本で掻き出して味方を勇気づける。その後も積極的な飛び出しから、相手の好機を食い止めるなど、完封勝利に貢献した。
「自分のコンディションは、確かに上がっています。でもそれ以上に、チームとしてどう守るのか、ビルドアップするのか、蹴るのか、といった戦い方が安定したことで、GKとしても(以前より)すごく守りやすくなったのも大きいです。
(今季の)序盤戦は選手同士に距離がめちゃあって、ボールを回しても奪われて、人もいなくて、やられてしまうみたいなパターンが多かったけど、今はしっかり構えた守備から自分たちのサッカーをスタートするようになり、そのうえでボールを持てるようになってきた。相手陣内にボールを持っていくことさえできれば、前線にはボールを動かせる選手が多いので、チームの戦い方と個人の特徴がリンクして戦えている実感があります」
谷晃生(たに・こうせい)
2000年11月22日生まれ。大阪府出身。ガンバ大阪のアカデミー育ちで、高校1年生の時に二種登録され、2017年3月にはJ3リーグデビュー。同年12月には飛び級でのトップチーム昇格が発表された。2020年、湘南ベルマーレに期限付き移籍。2022年までの3シーズン、不動の守護神として活躍。2023年、ガンバに復帰した。世代別代表では、2017年U-17W杯、2021年東京五輪に出場。2021年8月、日本代表にも初めて選出された。
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