「湘南スタイル」がさらにバージョンアップ 今季のベルマーレが昨季とはひと味違う秘密 (3ページ目)

　今季のルヴァンカップでは、各試合で21歳以下の選手を最低１人は登録メンバーに入れなければいけない規定になっているが、若い人材が豊富な湘南の場合、「僕のなかでは、まったくそのルールに縛られた（メンバーの）決め方をしていない。気づけば（21歳以下の選手が）いないっていうことがないだけの話」と山口監督。「そうなった（21歳以下の選手がメンバーにいなかった）時は、コーチ陣が言ってくれると思う」と苦笑する指揮官は、こう続ける。

「特に去年から一緒にやらせてもらってる選手はよくなっている。（今季が）１年目の選手はまだまだ苦労するところがあるかもしれないが、非常にたくましく育ってくれているなと僕自身思っているし、それは彼らの持っているポテンシャルでもある。それを試合で使って、見てみたいというのもある」

　そんな指揮官の期待に応えるように、清水戦でルヴァンカップ初ゴールを決めた鈴木が、リーグ戦でも大事な場面で途中起用され、今度はJ1初ゴール。巡ってきたチャンスを逃すまいと腕をぶす新鋭が、敗色濃厚だったチームを救ってみせた。

　厚みを増す戦力に手応えを口にするのは、杉岡だ。

「（横浜FM戦の登録メンバー）18 人だけじゃなく、今日メンバー外だった選手も含めて、みんながしっかりと同じ方向を向いてやれている。そこは今、すごく充実してるなと思う」

　湘南は今季、J1で10位につけると同時に、ルヴァンカップでもグループステージ３試合を終え、１勝２分けの負けなしで勝ち点５。こちらはグループ首位につけている。

　今季の湘南は、ルヴァンカップも面白い。

　湘南がひと味違う秘密でもある。