「湘南スタイル」がさらにバージョンアップ 今季のベルマーレが昨季とはひと味違う秘密

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 今季の湘南ベルマーレはひと味違う――。

 それは今季J1が開幕した直後から感じていたことではあったが、J1第8節終了現在、その印象に変わりはない。

 それどころか、スピード感あふれる"湘南スタイル"が、さらにバージョンアップ。そう言ってもいいかもしれない。

 単純に成績を比較するだけでも、昨季との違いは明らかだ。

 同じ第8節終了時点で比較すると、昨季が5敗3分けの勝ち点3だったのに対し、今季は2勝2敗4分けの勝ち点10。順位を見ても、昨季の18位(最下位)に対し、今季は10位につけている。

「去年はまったく歯が立たなかった」

 チームを率いる山口智監督がそう語った、第8節の横浜F・マリノス戦が、昨季からの湘南の変化を雄弁に物語る。

 昨季の湘南は、横浜FMとの2度の対戦で1-4、0-3といずれも大敗。まさに「歯が立たなかった」わけだが、今季最初の対戦では一転、内容的に見ても決して引けをとらない試合を繰り広げ、1-1と引き分けた。

昨季王者の横浜F・マリノス相手にも互角の戦いを見せた湘南ベルマーレ昨季王者の横浜F・マリノス相手にも互角の戦いを見せた湘南ベルマーレこの記事に関連する写真を見る 山口監督も「選手の姿勢が前向きだったのはポジティブな要素」と語り、昨季王者と互角に渡り合った選手を称える。

「ミスから失点したが、よく1点取り返した。(失点すると)あそこでガタッと来ることがある。勝ちたかったが、すばらしいチームに対してよく追いついた」

 指揮官も語るように、この試合において注目すべきは、湘南が横浜FMに先制を許しながらも同点に追いつき、引き分けに持ち込んだという点だろう。

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