宇佐美貴史が語る2023年シーズン。「ガンバのサッカーはこれだ、と言いきれるスタイルを確立させたい」 (3ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text by Takamura Misa
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

 正直、近年のガンバはその『ボールを持つ、回す』ことから遠ざかりすぎてきた流れがありますが、プラスに考えれば、まっさらな状態だからこそ、毎日繰り返すことでチーム全体がそういう意識、脳、体になっていくのも早いんじゃないかと思っています」

――そのスタイルで"決めきる""勝ちきる"ために、必要だと感じていることを教えてください。

「最後はやっぱりメンタリティなのかな、と。というのも、崩しの形や攻撃に向かう意識は、今のトレーニングを毎日続けていけば出来上がっていくと思うんです。ただ、それを試合で貫けるか、勇気を持ってプレーを選択していけるか、仕上げのところでいかにゴールに向かえるかは、個人の意識によるところも大きいのかなと。

 監督も、『昨年までのガンバは個々の能力は高いのに、試合のなかで不都合な現象が起きた時に、(自分たちがやろうとしているサッカー、プレーが)できなくなるまでのスピードがすごく速かった。自分たちにとってよくないことが起きた時のリバウンドメンタリティや、トライし続けるメンタリティが足りていない』とおっしゃっていましたが、まさにそれは僕も感じていることで......。

 だから、苦しい状況に追いやられた時に勇気を持った判断、プレーができず、自分たちでより窮地に追い込まれる状況を作り出してしまっていた。そう考えても、自分たちが目指すサッカーを試合のなかでも貫く、やりきろうとするメンタリティをそれぞれが備えることも不可欠だと思います」

――宇佐美選手にはどんなタスクを与えられているのでしょうか。

「監督からは、『貴史には、僕がやりたいサッカーを一番理解しておいてほしいし、それを表現するためのリーダーシップをピッチで示してほしい』と繰り返し言われています。仮にピッチ上で他の選手が判断を迷うようなことがあっても、その場で修正できるくらい戦術を理解し、仲間を導いてほしい、と。

 それは昨年終盤、戦列に復帰した4試合でも意識していたし、年齢を考えてもそういう責任を追うべき立場だと思うので、積極的に取り組んでいきたいです」

――個人的な目標は「ふた桁得点」と明言されています。ご自身がフィニッシュに絡むプレーを増やすために意識したいことを教えてください。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る