宇佐美貴史が語る2023年シーズン。「ガンバのサッカーはこれだ、と言いきれるスタイルを確立させたい」 (4ページ目)
「"9番"的な役割というか、ストライカーとしてゴール前でチャンスを待ち続けようとは思っていません。監督にも『それでは貴史のよさが出ない』と言われていることからも、チャンスメイクをより求められるシーズンになるのかな、と。イメージとしては、数多くボールを触ってリズムを作り、フィニッシュから逆算して3〜4つ前で起点になりながら、ゴール前に入っていく、みたいな。
それには、間違いなくチームメイトの協力、クオリティも必要ですが、個々の選手の特徴からもめちゃめちゃいいイメージは湧いています。また、そうやってチャンスメイクの数が増えれば、必然的に自分の得点機会も増え、ゴール数も見出していけるんじゃないかと思っています」
――新体制発表会で、ポヤトス監督は「目標はACL(AFCチャンピオンズリーグ出場)圏内」だとおっしゃっていました。その目標設定をどう受け止めているのか。また、そこに向けてどんな近づき方をしていきたいと考えているのかを聞かせてください。
「もちろん"タイトル"を口にできればいいですが、今のガンバがそこを平気で口にするようでは、逆に危機感がないと思うんです。"ACL圏内"ですら、やや高い目標かもしれない。ただ、先ほどの身の丈の話と同じで、その目標に自分たちを合わせていくことを考えるうえでは、いい目標設定だと思います。
とはいえ、僕は単に数字として目標を達成すればいいとは思っていません。昨年のJリーグ王者である横浜F・マリノスしかり、上位を争うチームは常に確固たるスタイルを打ち出して、戦い続けてきたことで常勝チームとしての姿があると考えても、今シーズンこそ『ガンバのサッカーはこれだ!』と言いきれるスタイルを確立させたい。
つまり、ファン・サポーターのみなさんが『今日はこういうことができたから勝てたよね』と論理立てて説明できるくらいのチームになることで、目標に近づいていきたいな、と。それが、ガンバがかつての強さを取り戻すためのベースになっていくと思っています」
(おわり)
宇佐美貴史(うさみ・たかし)
1992年5月6日生まれ。京都府出身。ガンバ大阪のアカデミー育ち。2009年、高校2年次にトップチームの昇格。2011年夏にはドイツの名門、バイエルン・ミュンヘンに移籍。翌シーズンはホッフェンハイムでプレーし、2013年にガンバへ復帰。2014年シーズンには、リーグ、カップ、天皇杯と三冠達成に貢献した。その後、再び海外へ。アウクスブルク、デュッセルドルフでプレーし、2019年に再びガンバへ復帰。以降、チームのエースとして奮闘している。
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