宇佐美貴史が語る2023年シーズン。「ガンバのサッカーはこれだ、と言いきれるスタイルを確立させたい」 (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text by Takamura Misa
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

――例年に比べてメディア出演や、子どもたち向けのサッカー教室など、イベントにも積極的に参加しているように見えました。

「そうですね。ここまで長いオフは初めてだったし、ましてやオフ期間中、何もせずに休んでいるだけだと、僕の性格的にサッカーのことだけを考えてしまって、ついつい体を動かそうとしてしまいますから。

 でも、自分にとっては昨年の、ケガをして、長期離脱となり、復帰して残留を争って......という、心身両面でハードな一年を過ごした流れを思い返しても、一度しっかりサッカーを頭から切り離す時間が必要だと思っていたので、それならメディア出演やサッカー教室などに参加して、違う刺激を入れてリフレッシュしたいなと。そのほうが逆に、自分が一番休まると思い、あえてそういう場に積極的に出て行っていました。

 また、このくらい長いオフがないと、現役中にイベントに参加するのはなかなか難しいので、せっかくだから子どもたちにいい刺激を入れてあげたいなとも思っていました」

――チームが始動してからまだ間もない状況ですが、現時点で、新チームにはどんなことを感じていますか。

「素直に『いいな』って思います。ポヤトス監督はすごくフレンドリーで、話す言葉もメッセージ性が強いですし、選手やスタッフなど一緒に仕事をする仲間へのリスペクトもすごく感じます。基本的には通訳を介して会話をするんですけど、通訳がいる感じがしないくらい壁がない雰囲気もある。いろいろと準備されてきたからだと思いますが、近年のガンバに対する理解も深いですしね。

 サッカーについては、これから段階を踏んで戦術を突き詰めていくことになるはずですが、どのトレーニング、シーンでも、監督からは『自分たちがボールを持つよ、回すよ』と徹底して伝えられていて、練習の強度やメニューもそこから逆算した意図を感じられる内容が多いです。ただ正直、練習はめちゃめちゃキツい! 中盤から前線の選手にかけては、特にロンド(ボール回し)が攻守に激しいので、頭も体もめちゃめちゃ疲れます。

 でもその先に、監督の描くサッカーが常に見えていることで、無闇やたらに強度が高いトレーニングじゃないと思えるのは救いです(笑)。なので、あとは監督の描くサッカーを選手がどれだけ理解し、表現していけるのかなと。

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