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ジーコが振り返る今季の鹿島アントラーズ。「ベンチの混乱がプレーに影響を与えていた」 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 鹿島がこれほどレベルの高い、真のプロフェッショナルのチームとなれたのは、これまでずっとそうした監督がチームを率いてきたからだ。私はもう鹿島の従業員ではないが、サッカーの世界でずっと働いてきたプロとして、アントラーズの真のレベルの高さを知る者として、鹿島にはそうした監督が必要だと言いたい。

 岩政監督は、選手としてアントラーズの歴史を作ってきた大事な存在だ。だが、監督としては、鹿島が戦っているような高いレベルの戦いにはいまだ慣れていないのではないだろうか。突然、監督にされたことは彼にとっても重圧だったと思う。

 上田が移籍し、レネが去り、エレケが加入。これこそが今シーズンの鹿島の状況を物語っている。上田はピッチのなかで最も重要な選手だった。彼のチームへの貢献は非常に高かった。レネは知識と経験が豊富な監督だった。チームに絶妙なバランスを与え始めていた。ナイジェリア人のエレケはレネが個人的に望んだ選手だった。

 しかし、レネはエレケと入れ替わりでチームを去ってしまった。こうした一連のことがチームに、選手一人ひとりにネガティブな影響を与え、コーチたちにプレッシャーを与えてしまったのではないかと、私は考えている。

 今はただ、来季の鹿島アントラーズが再びチャンピオンを目指して進むことを願うばかりだ。

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