横浜F・マリノスによぎる「2013年の悪夢」。風雲急を告げるJ1優勝争いの行方はどうなる? (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 とはいえ、マスカット監督の「まだ順位表の一番上にいる」という言葉どおり、現時点で自力優勝の権利を持っているのは横浜FMだけ。しかも、横浜FMには勝ち点2の差だけではなく、得失点差でも9点のアドバンテージがある。残り2節で勝ち点が並んだとしても、横浜FMが上に立つ可能性はかなり高い。

 また、悪い流れにはまってしまった横浜FMにとっては幸いなことに、天皇杯とルヴァンカップの決勝が2週続けて行なわれる関係で、J1は次節第33節まで2週間以上、試合間隔が空くことになる。

「中断期間で(優勝への重圧を)いい意味でのプレッシャーに変えることができれば、いい姿を見せられると思う」

 MF水沼宏太がそう語るように、ここでうまく心身両面での切り替えができれば、"らしさ"が再び見られるに違いない。

 キャプテンのMF喜田拓也が、覚悟の言葉を口にする。

「勝利への情熱がまだまだ足りない。本当に優勝したいなら、これをはね返さないと。それでこそ、上に立つチーム。(優勝の可否は)自分たち次第だと思う」

 2連覇中のディフェンディングチャンピオンをも凌駕するプレー強度の高さで、今季J1の優勝争いを引っ張ってきた横浜FM。その強さは、3シーズンぶりの覇権奪回に値するものだった。

 本来の姿を取り戻せば、嫌な予感も振り払えるはずである。

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