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崖っぷちのジュビロ磐田に必要なこと。セレッソ大阪戦での反撃から「奇跡」への糸口が見えたか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

 同じような試合展開は、J1第28節柏レイソル戦でも見られた。

 前半のうちに0-2とされ、後半に2点を返して引き分けたが、「そのパワーを立ち上がりから使いたいと思っている」とは、金子の弁だ。

 ケガから復帰し、久しぶりの出場となったMF山田大記も、「松原の惜しいシュートがあったが、あれが入っていればの"タラレバ"ではなく、あの回数を増やしていかないと勝ち点3をとれない」と、歯がゆさを口にする。

 これで磐田に残された試合は、あと5試合となった。

 J1残留圏内となる15位とは勝ち点差7。J1参入プレーオフに回る16位とでさえ、勝ち点差6と開いている。逆転残留のためには、「残りの試合数を考えても、3勝、4勝は必ず必要」(金子)というのが現状だ。数字上の可能性はともかく、現実的に考えれば、それは非常に困難なタスクであると言わざるを得ない。

 これから先、磐田の選手たちは、相当な精神的重圧のなかでの戦いを強いられることになるはずだ。

 しかしながら、プレッシャーをはね返す気持ちは大事だが、おそらくそれだけでは目の前の問題は解決されない。「精神論だけではなく、練習で戦術的な課題を解消して、チーム力を積み上げる」(山田)ことが何より必要なのだろう。山田が続ける。

「一番大切なのは、やるべきことをはっきりすること。頭の整理をすることが精神的にも安定することにつながる。今日はこれをやるとはっきりすれば、試合で不安なくプレーできる」

 この日、磐田が見せた怒涛の反撃は、これから起こる奇跡の予兆なのだろうか。

 崖っぷちに立つ磐田に残された猶予はあとわずか。無情のカウントダウンが進んでいる。

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