西川周作が理解不能「?」になったミレッGKコーチの教え。「ゴールは存在しない」が意味すること (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by AFLO

聞きたかった昨季の苦しみ

「キックについては従来どおりなのですが、守備面で落ち着きがでてきたこと、適切なポジショニングや準備ができていることによって守れるという自信が生まれ、それが攻撃にも活かされているように感じています。

 昨シーズンは、リカルド・ロドリゲス監督が就任して1年目ということもあり、複雑なそのサッカーを頭に叩き込む時間も長く、逆に考えすぎて苦しかったところがありました。特にスタメンから外れた時期には、自分自身のプレーについても考え込んでしまったところもありました。ただ、決してその時間も無駄になっていなかったと思っています」

 西川に聞きたかった、もうひとつのテーマだった。

 昨シーズン、西川は一時期、スタメンの座を鈴木彩艶に明け渡していた。そこから再び先発に返り咲いた過程に、彼の奮起と成長、そしてGKとしての意地があるように思えたからだ。

◆西川周作@後編につづく>>正GKの座を失った昨季の葛藤「自分の特長を出せていなかったのでは?」


【profile】
西川周作(にしかわ・しゅうさく)
1986年6月18日生まれ、大分県宇佐市出身。2005年に大分トリニータU−18からトップチームに昇格し、高卒1年目から正GKとなる。クラブの財政危機により2010年にサンフレッチェ広島へ完全移籍。2012年、2013年とJ1リーグ優勝に貢献する。2014年から浦和レッズの一員となり、2022年7月10日の名古屋グランパス戦でJ1最多となる通算170試合の無失点記録を達成。日本代表として31試合出場。ポジション=GK。身長183cm、体重81kg。

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