大混戦のJ1得点王を予想。レオ・セアラ、西村拓真、ピーター・ウタカの争いか。爆発すれば若手FWにもチャンスあり (2ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo
  • photo by Getty Images

好調の西村拓真に注目

 しかし、2019年のマルコス・ジュニオールはトップ下、仲川はサイドアタッカーで、どちらもトップの選手ではなかった。トップの選手を追い越して、2列目、3列目(時には最終ライン)の選手がゴール前に飛び出し、分厚い攻撃を仕掛けるのが横浜FMのサッカーの特徴なのだ。

 横浜FMは、試合前のウォーミングアップの時間でも繰り返してクロスに合わせる練習をしている。早いタイミングで長いクロスを入れて、逆サイドの選手が合わせて決めるというのもこのチームの攻撃パターンのひとつなのだ。だから、トップ下のマルコス・ジュニオールやサイドアタッカーの仲川が多くのゴールを決めた。

 したがって、今シーズンも得点王候補がワントップのレオ・セアラに限られると考える必要はないのである。

 そこで、「日本人得点王も見たい」という気持ちも含めて、僕はトップ下のポジションで起用されることの多い西村に注目したい。

 今シーズン新たに加入した西村は、開幕当初はチームの攻撃にうまく絡めずに悩みを抱える時期もあったが、最近は横浜FMのサッカーにすっかり溶け込んでおり、トップ下でプレーする時間が長いが、レオ・セアラが不在になればトップも任される。

 豊富な運動量を生かしてあらゆるポジションに顔を出し、パスを使って周囲を使うのもうまいし、フィジカル的な強さを生かしてゴール前で体を張ったプレーができるのが強みだ。

 トップに張っていてシュートのうまさで勝負するストライカーのレオ・セアラと、西村が得点王争いを繰り広げることになるのではないだろうか。

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