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大混戦のJ1得点王を予想。レオ・セアラ、西村拓真、ピーター・ウタカの争いか。爆発すれば若手FWにもチャンスあり (3ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo
  • photo by Getty Images

衰え知らずのピーター・ウタカ

「どこからでも点が取れる」というのが横浜FMの強さだとすれば、チームの絶対的な中心となってチームを引っ張っているのが京都サンガF.C.のピーター・ウタカ。レオ・セアラと並んで9ゴールをマークし、得点ランキング2位で並んでいる。

 広島をはじめ、多くのJクラブを渡り歩いたストライカーも、もう38歳になった。しかし、昨シーズンもJ2リーグで21ゴールを決めてランキング2位となったように、得点力はまったく衰えておらず、J1に昇格してもその力を存分に発揮している。

 言わば、2020年に柏レイソルで他を圧する驚異的な決定力で得点王に輝いた、マイケル・オルンガ系の存在なのだが、得点することに集中していたオルンガと比べて、ウタカは献身的な守備も厭わず、周囲を使うことにも長けている。前線での動きを止めないプレーは、38歳にしてますます進化しているという印象だ。

 ここ数年「絶対王者」の地位にいた川崎フロンターレは、今シーズンは攻撃力がすっかり鳴りを潜め、むしろ「決定力不足」に悩まされている。とくに、昨年23ゴールを決めて、前田大然と並んで得点王となったレアンドロ・ダミアンは、相手GKに対するプレッシングなど動きは衰えていないのだが、まだ4ゴールを決めただけだ。

 FWというのは、ちょっとした感覚がズレることで得点から遠ざかってしまう、恐ろしく繊細なポジションなのである。

 川崎では家長昭博とマルシーニョという、本来なら得点のお膳立てをすべき選手が5ゴールずつを決めて得点ランキングの15位につけているが、今シーズンの川崎は圧倒的な攻撃力よりもバランス感覚、勝負強さを武器に戦うことになるだろうから、川崎から得点王が生まれることはなさそうだ。

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