浦和レッズが急浮上の予感。「引き分け地獄」から抜け出すことができたのはなぜか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 J1第21節終了現在、浦和レッズは9位。18クラブのなかで、ほぼ真ん中に位置している。

 ところが、浦和より成績上位の8クラブのなかには、負けの数が浦和以上のクラブが6つもあり、その一方で、浦和より成績下位の9クラブのなかには、勝ちの数が浦和以上のクラブが7つもあるのだ。

 こんな不思議な現象が起こるのは、とにもかくにも、浦和の引き分けが多いからに他ならない。

 5勝5敗11分け。それが浦和の成績だ。4月から5月にかけては、続けて7つの△を並べたこともある。

 積み上がっていく一方の引き分けを、どれだけ勝ちに持ってこられるか。そこに、浦和が順位を上げていくためのカギがあったわけだが、このところの浦和には、そこにはっきりとした改善傾向が見てとれる。

 要するに、引き分けが勝ちに転じ始めたのである。

 最近のリーグ戦5試合は3勝2分け。3-0で勝利した直近のJ1第21節、FC東京戦を振り返っても「完全な試合ができた」とはリカルド・ロドリゲス監督の弁。

 浦和は立ち上がりからボールを支配し、優勢にゲームを進めると、前半31分に前線での守備から相手のパスミスを誘い、MFダヴィド・モーベルグが決めて先制。後半に入っても攻撃の手を緩めることなく、50分にMF伊藤敦樹が、70分にはMF大久保智明が追加点を決め、FC東京に引導を渡した。

FC東京戦で貴重な追加点を決めた浦和レッズの伊藤敦樹FC東京戦で貴重な追加点を決めた浦和レッズの伊藤敦樹この記事に関連する写真を見る

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る