「空気感が合っている」日本で成長を遂げたセルジ・サンペールが神戸をアジアの頂点に導く (3ページ目)
また、今年はクラブにとって2年ぶり2度目のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を戦うこともサンペールの熱を高めている要素だ。実は、ヴィッセルがクラブ史上初のACLを戦った2020年。外国籍選手の登録枠から外れてしまった彼は、いまだACLの舞台に立ったことがない。つまり、今回が彼にとっては初めての"アジア"へのチャレンジとなる。
「2年前、僕は登録の関係でACLに出場できず、外からチームを全力で応援していました。もちろんチームと一緒に戦いたい、ピッチでチームに貢献したいという気持ちと折り合いをつける難しさはありましたが、チームのすばらしい活躍に僕自身も勇気づけられました。
ただ、個人的に残念な気持ちが残っていたのは正直なところ。だからこそ、今年は仲間とともに初めてのアジアを戦えるのがすごく楽しみです。まずはしっかりとプレーオフを勝ち抜き、目標であるアジアナンバーワンを目指したいと思います。
もっともチームが描く目標に照らし合わせても、ACLに限らず、出場する全試合にハングリー精神を持って立ち向かわなければいけないと思っています。そうして、すべての試合に勝ちにいくことでチームにいい流れを生むことが、目標の実現にもつながっていくと信じています」
そんな彼の戦いを支えているのが、日本での穏やかな暮らしだ。「性格的にも日本の空気感がすごく合っている」と話すサンペールは、日本の文化や伝統への関心も高く、2019年から週に1度のペースで学んできた日本語もずいぶん上達したと聞く。そのなかで積み上げてきたJリーグでの経験も、一プロサッカー選手としての成長を求めるうえでかけがえのない財産になっているようだ。
「Jリーグでのプレーはサッカー選手として、人として成長する時間になっています。プレー面ではJリーグのスタイルへの理解を深めながら、守備面やゴールに直結するプレーにも磨きをかけることで、より"総合的にプレーできる選手"になるきっかけを与えてもらっていますし、僕自身、そうしたプレーをとても楽しめています。
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