フロンターレ快勝で開幕時の不安は払拭も物足りなさ。3連覇へのキーワードは「#勝ちながら修正」
王者の意地と貫禄を見せつける勝利だった。なにより、開幕から抱いていた不安を払拭する勝利だった。
J1第2節で川崎フロンターレは、鹿島アントラーズに2−0で勝利した。展開としては、開始2分に相手のミスを突いて、知念慶が先制点を決めたことが大きかった。また、17分に右CKから大卒ルーキーの佐々木旭がプロ初ゴールを決め、チームに追い風を吹かせたことも大きかった。
そうした結果以上に鹿島戦で見られたのは、短期間での修正力と適応力、はたまたチームとしての成熟だった。
鹿島DFのミスをついて先制ゴールを奪った知念慶この記事に関連する写真を見る 今季初の公式戦だったスーパーカップでは、浦和レッズに0−2で黒星を喫した。ボールこそ保持したものの無得点に終わったように、ゴール前で仕掛ける回数やスペースを突く動きに欠けていた。
新戦力であるチャナティップを加えた攻撃陣には連係面での課題が露呈し、4−3−3システムにおける中盤の強度、特にアンカーに問われるタスクの多さに不安が見られた。前半はジョアン・シミッチが、後半は大島僚太がアンカーを務めたが、結果を含めて、いずれもそのタスクをまっとうし、チームを機能させたとは言いがたかったからだ。
リーグ開幕のFC東京戦はレアンドロ・ダミアンの一発で勝利したが、ボール支配率やシュート数、さらには決定機の数でも相手が上回っていた。2020年のJ1優勝、2021年のJ1連覇のように、攻撃で相手を圧倒する迫力が見られなかったのである。むしろ勝利の要因となったのは、球際での激しさや粘り強い守備だった。
「自分たちのマインドは攻撃にある」
開幕戦に勝利したあと、鬼木達監督が選手たちにそう伝えたのは、チームの核は攻撃にあるという証だろう。
そのため、2月23日の横浜F・マリノス戦(J1第9節)では攻撃に変化が見られた。32分の先制点は、まさに川崎の真骨頂だった。登里享平の背後を突く状況判断と効果的なパス。そこに走り込む橘田健人の運動量と眼。そして、折り返しを冷静に決める家長昭博のしたたかさとうまさ。
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