Jリーグアジア戦略の現在地。
ティーラトン獲得などプラス効果多数 (2ページ目)
そんななか、当時の上司から「1クラブに5000万円程度配分できるビジネスを」という難題を振られる。たとえばJ1の18クラブに分配するとなると、総額約9億円の利益を上げるビジネスを考えなければいけない。かくして山下は、Jリーグの収入源である来場者収入、スポンサー収入につづく、第3の収入源の柱となるビジネスを模索することとなる。
そこで目を向けたのが、東南アジアでのサッカー熱の盛り上がりだった。
「これまでやってきたビジネスの延長線上では9億円の利益を上げるのは到底無理だと思いました。そこでアジア各国のリーグをコンサルティングしましょうと提案しました」(山下)
一度は突っぱねられたものの、あきらめられなかった山下は2010年代に入ってから急成長を遂げているタイリーグへの視察を考え、そのために「サポユニ for smile」というプロジェクトを生み出した。
当時山下は、Jリーグのプロモーション業務としてSNS上でサポーターを巻き込んだ活動を主に行なっていた。そこでSNSを活用してサポーターからユニフォームを募り、その集まったユニフォームをカンボジアの子どもたちに届けようというキャンペーンを始める。そのカンボジアにユニフォームを届けた帰りに、タイに寄って視察する算段だった。
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