Jリーグアジア戦略の現在地。ティーラトン獲得などプラス効果多数
Jリーグアジア戦略の歩み 前編
今月末からの再開を予定しているJリーグ。近年目立つのは、タイ人のチャナティップ(北海道コンサドーレ札幌)やティーラトン(横浜F・マリノス)をはじめとした、東南アジアの選手の名前を目にする機会が増えたことだ。
この現象はもちろん偶然ではなく、選手獲得をはじめ、東南アジアとJリーグの様々なマーケット拡大を陰で支える「Jリーグアジア戦略」というプロジェクトがある。
今回はこのプロジェクトの発起人である、Jリーグパートナー事業部長・山下修作氏、立ち上げメンバーのグローバル事業統括部長・大矢丈之氏、小山恵氏の3人に、これまでと、そしてこれからの、Jリーグにおけるグローバル戦略について話をうかがった。
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昨季の横浜F・マリノスのリーグ優勝に貢献した、タイ人選手のティーラトン<Jのユニフォームを東南アジアへ届ける>
山下は、2005年からJリーグのファンサイトや公式サイトの運営、プロモーションに携わるようになったが、アジア戦略のプロジェクトを立ち上げる転機となったのは、2008年のリーマンショックだ。日本経済の脆弱さが浮き彫りになり、山下は「現行のJリーグのビジネスモデルだけでは、いつか破綻してしまう」と危惧した。
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