Jリーグアジア戦略の現在地。
ティーラトン獲得などプラス効果多数 (3ページ目)
このサポユニ活動はすぐに話題となり、ユニフォームは思いの詰まった手紙と共に集まりつづけ、その数は451着にまで増えていた。じつは肝心の届け先が決まらずに四苦八苦するのだが、ようやく届け先が決まり、単身でカンボジアを訪問。子どもたちは目を輝かせながらそのユニフォームを受け取り、学校の校庭で夢中になってサッカーをしていた。
サポーターのユニフォームを届ける活動は、広がりを見せている(写真提供/Jリーグ) その姿を見て山下は「サポーターのユニフォームが、子どもたちを笑顔に変えられるすごい力を持っているんですよね」と、Jリーグの新たな価値に気がついたという。
当初はタイリーグ視察のために考えたプロジェクトだったが、Jリーグは、ここから東日本大震災の影響があった2012年を除き毎年サポユニキャンペーンをつづけた。今では届けた国は12カ国に増え、届けたユニフォームは6000着以上になった。
<Jリーグの弱みを強みに変える>
山下はカンボジアの帰りにタイを訪れてプロリーグを視察。写真や動画を撮影し、サポーターに取材もした。それを報告書にまとめ、再度事業を提案するとその熱意が認められる。そして、2012年に「アジア戦略室」という部署が産声をあげた。
東南アジアでのビジネスを考えた時、山下はあることに目を向けた。
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