鹿島から獲得話があった当時、昌子源は「ダブル浩二」を知らなかった (5ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 渡部 伸●写真 photo by watanabe shin

――自信はあったのでしょうか?

「どうなんでしょうね。ただオファーを受けたわけだから、自信があったんだと思います。でも、そんなのは簡単にへし折られましたけど(笑)」

――2011年鹿島の一員となった直後に鼻をへし折られたと(笑)。

「これはちょっと違うなって。とにかくスピードが別モノでしたね。僕自身高校ではスピードに自信があったんです。でも、(興梠)慎三くんに置き去りにされて。簡単に(笑)。次元が違いました。その慎三くんをサクッとスライディングで止めたのが、イノ(伊野波雅彦)さんでした。それを目の当たりにしたんです」

――心も折れますよね。

「でも、周囲を見れば、イノさん以外にも大樹さん、(中田)浩二さん、青木(剛)さんと、いろんなタイプのセンターバック(CB)が揃っていたので、つぶさに観察して、いいところを盗もうとしました。よいお手本がたくさん在籍していたんです。それに当時コーチ1年目の(大岩)剛さんには、マンツーマンで教えていただきました。コーチの数が多かったので余裕があったんだと思います。あらゆる意味で恵まれた環境で、運がよかったです。しかも当時はCBの人数が少なかったので、紅白戦でCBを務められた。紅白戦に出られない同期もいたのに......」

――Aチームの2トップは興梠選手に、大迫勇也選手ですね。

「そうなんです。剛さんからも『Jリーグの対戦相手でも、この面子が揃うことはない。こんな贅沢はないぞ』って。すごいありがたかったですね」

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