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ひとつ歳をとれば...。J1昇格候補だった
松本山雅の低迷にはワケがある (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 シーズンを通じて波に乗れない様子は、試合内容にも表れている。2連敗となった第38節の大分トリニータ戦(0-2)でも、どこかちぐはぐな戦いぶりが目立った。

「そうしたつもりはなかったが、(選手が)少しおびえてしまったのかな」

 松本の反町康治監督がそう振り返ったように、試合序盤、ポゼッションを得意とする大分に対し、松本は引いて構え、楽にパスをつながせてしまった。結果論とはいえ、大分に気持ちよくプレーさせてしまったその時間帯が、試合全体の流れを作ったと言ってもいい。

 前半なかばを過ぎると、松本は高い位置からの積極的なプレスも見せ、大分以上に相手ゴールへ迫る回数が増えた。だが、CKから「スキを突かれた1失点目」(反町監督)を許すと、もう流れを引き寄せることは難しかった。

 松本が許した追加点は1点だけだったが、試合終盤は3、4点目を失ってもおかしくない展開が続いた。反町監督が語る。

「後半は相手のリードをひっくり返すため、(攻撃にかける)人数を用意し、(交代で)攻撃的な選手を入れたが、それによって大分の前線のスピードある選手を生かす(カウンターを受ける)結果になった」

 決して松本に見せ場がなかったわけではない。だが、一度相手に明け渡した主導権を取り戻すのは、簡単ではなかった。よく言えば怒涛の反撃も、どこか大味で迫力に欠けた。ひと言で言えば、「山雅らしさが見られなかった」ということになるのだろう。

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