ひとつ歳をとれば...。J1昇格候補だった
松本山雅の低迷にはワケがある (3ページ目)
昨季の松本が、ポゼッションという武器も手にしたことは先述したとおりだが、さりとてピッチに立つ選手の特徴を考えても、華麗なパスワークでスタンドを魅了できるわけではない。
やはり松本の魅力は、泥臭さであり、ひたむきさである。よく走り、よく戦い、ハードワークで相手を上回る。それこそが「山雅らしさ」であり、それを貫くことで松本はここまで強くなった。2014年にJ2で2位となり、クラブ史上初のJ1昇格を勝ち取ったことは、まさにその象徴的な成果だろう。
だからこそ、大分戦後には、ホームのサポーターから「戦え、松本!」コールが起きた。つまりは、「もっと山雅らしさを見せろ!」という叱咤である。
厳しい戦いが続く松本山雅。最後にファンの声援に応えることができるか... もちろん、サッカーという競技において、走るとか、戦うとかいう要素が不可欠であることは間違いない。
だがしかし、それだけですべてを補うのが難しいのもまた事実である。
松本はJ2昇格以来、6シーズン指揮を執り続ける反町監督のもと、徹底して「山雅らしさ」を追求してきた。それによって大きな――望外の、と言ってもいい――成果も手にしてきた。しかし、そこだけに頼った戦いも、そろそろ過渡期を迎えている。そう認めざるをえないのではないだろうか。
わかりやすいのが、平均年齢だ。
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