ひとつ歳をとれば...。J1昇格候補だった
松本山雅の低迷にはワケがある
全22クラブの2回戦総当たり(全44節)で行なわれる長丁場のJ2は第38節まで終了し、残すところわずか4節。混戦が続くJ1昇格レースも、まもなく決着のときを迎える。
そんななか、あとがない瀬戸際に立たされているのが、昇格有力候補の一角、松本山雅FCである。
松本は昨季、J2で際立つ強さを見せた。結果的に3位に終わり、J1昇格プレーオフでも敗れてJ1昇格こそ逃したものの、積み上げた勝ち点84は例年ならJ1自動昇格はもちろん、優勝していても不思議はない数字だった。
一昨季までの「堅守速攻+セットプレー」という現実的な戦いに加え、自らボールを保持して攻撃を組み立てるポゼッションも(完全ではないながらも)備えた松本は、「負けてなお強し」の印象を残した。
当然、今季の松本をJ1昇格候補に推す声は多かった。
ところが、昨季あれほど強かった松本が、今季は勝ったり負けたりの繰り返し。第11節からの8試合では、1勝4敗3分けとなかなか勝てない状況が続き、第18節終了時点では15位まで沈んだ。
その後、第28節からの6試合を、4連勝を含む5勝1分けと大きく勝ち越し、自動昇格をも射程圏内に捉える4位まで順位を上げたものの、勢いは持続せず、現在は今季3度目の2連敗中という苦しい状況にある。
途中、何度となく、いよいよエンジンがかかるかに思われた試合もあったが、そのつど失速。一向に波に乗れないまま、ここまで来てしまっている。第38節終了現在、18勝13敗7分けの勝ち点61は、プレーオフ進出圏内からもこぼれる7位である。
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