青森山田に悲願の初優勝をもたらした「プレミア6年間」の経験値 (5ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 しかし、大切なのは「そこで自分がやってきたことを信じられるかどうか」なのだと、歴戦をくぐり抜けてきた指揮官は言う。

 やってきたことを信じられるかどうか――。その支えとなるのが、いいことも、悪いことも、すべてを含めて経験なのだろう。それこそが青森山田の武器であり、アドバンテージだったに違いない。

 勝負に絶対はない。それでも青森山田は、20年連続22回目の選手権出場にして、最も優勝する可能性が高い状態で大会に臨んでいたのではないだろうか。

 言うまでもなく、青森山田の経験値を語るうえでは、黒田監督の存在も忘れてはならない。廣末は「監督がすごい経験値を持っていて、その経験をチームに落とし込んでくれる。だから、こういう結果が出せたんだと思う」と話す。

 試合直後には目を潤ませていた黒田監督が、晴れやかな表情で語る。

「監督生活22年で、こんな日を迎えられてうれしく思う」

 選手権に挑むこと22度。青森山田がようやく手にした初制覇だった。

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