青森山田に悲願の初優勝をもたらした「プレミア6年間」の経験値 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 ユース年代の強化を目的に全国リーグを作ろうと、プレミアリーグが誕生したのは2011年のこと。以来、クラブチームと高校チームの垣根を越え、全国トップの20チームが東西各10チームずつに分かれ、ホームアンドアウエー方式のリーグ戦を行なってきた。青森山田は2011年の誕生以来、ずっと出場し続けている。

 プレミアリーグ誕生以前にも、ユース年代のリーグ戦はあった。だが、それは東北、関東、関西、九州など、地域ごとに行なわれるものであり(現在もプリンスリーグとして継続されている)、例えばJクラブが数多く存在する関東ならレベルの高いチームがそろうが、東北ではそうはいかない。事実、東北では青森山田の「1強」状態が続いていた。しのぎを削るライバルのいないリーグ戦は、青森山田の実力を引き上げてくれるものではなかったのだ。

 しかし、プレミアリーグは違った。東日本の猛者たちが集うハイレベルなリーグ戦は、青森山田を確実に磨いてくれた。その結果、指揮官が胸を張って「青森山田は、堅守速攻も、リスタートも、すべての要素を兼ね備えてきた」と言えるほどのチームができた。GK廣末陸(3年)は語る。

「レベルが高いプレミアリーグのなかで、もまれてきたのは大きい。試合をやって、悪かったところを修正して次の試合(に臨む)というサイクルができた」

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