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コンサドーレ札幌のJ2首位は「まさか」じゃない。実を結んだ育成主義 (3ページ目)

  • 栗田シメイ●文text by Kurita Shimei
  • photo by AFLO

 経験豊富なベテラン選手とアカデミー出身選手の融合。その象徴的な存在が、今季ヴィッセル神戸から加入した36歳のCB・増川隆洋だ。増川はこの日、セレッソの強力な攻撃陣をめがけたロングボールをことごとく跳ね返し、存在感を放っていた。「僕が攻撃的な姿勢を見せることで、チームメイトに前への意識も植え付けたかった」と話すように、的確なロングフィードで起点となるなど全盛期を彷彿させるようなプレーで観衆を沸かせた。そんな増川に、チーム状況について聞くとこんな答えが返ってきた。

「今のチームは単純にすごく仲が良いし、何より一体感がある。ケガ人は多いですが、誰が出てもある程度同じ戦い方ができるのも強みです。戦術理解もしっかりできているので、代わりに入った選手を含め、全員でうまくカバーして、自分たちのサイクルができているという手応えはあります」

 増川をはじめ、河合竜二、小野伸二、稲本潤一ら、実力と経験を兼ね備えた選手たちがチームの屋台骨を支えることで、若手選手が積極的なプレーをする環境を作り出している。

 現在、トップチームには計12人のユース出身者が名を連ねる。2004年からクラブは育成型に舵を切った。その後10年あまりの月日を経て、荒野拓馬、堀米悠斗、深井一希、らトップチームでも主力を張る20代前半の選手が選手たちが続々と育ってきている。

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