「J1に戻りたい」山口蛍が率いるセレッソ大阪に勝機はあるか (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Osada Yohei/AFLO SPORT

 カウンター巧者に対して、むやみに前へ出ては危険だが、かといって、それを怖がっていては、得点は生まれない。MF橋本英郎も、「先制されると僕らは2点取らないといけなくなる。バランスを考えてやりたい」と語っていたように、リスクを負って攻撃しつつも、失点せずに先制する。その辺りのバランスに勝負のカギがありそうだ。

 今季リーグ戦での両者の対戦成績は、福岡の2戦2勝。ともに福岡が1-0で勝利している。しかし、山口は「苦手意識はない」と言い切り、こう語る。

「ホームでの試合(第35節/10月4日)は、ほとんど自分たちのペースでやっていて、GKからのロングボールをうまく処理できずにやられた。それが相手のストロング(長所)なので、そこをうまく守れれば、攻撃では絶対にチャンスが作れると思う」

 若く才能豊かな選手がそろっているイメージのあったセレッソも、気がつけば平均年齢30歳(J1昇格プレーオフ準決勝の先発メンバー)のチームになっていた。だが、そこには、J1復帰のためにはなりふり構ってはいられないという覚悟がうかがえる。J1昇格候補筆頭と目され、常に対戦相手から特別視される中で戦うプレッシャーは相当なものがあっただろう。

 苦しんだ末に、ようやくたどり着いた2015年ラストマッチ。セレッソは最後に残されたJ1昇格の1枠をつかみ取ることができるだろうか。山口が語る。

「やっぱり、J1にいたい。しっかり勝ってJ1に戻りたい」

 悲嘆に暮れたあの日から1年。セレッソはいるべき場所へ戻るための勝負に挑む。

Jリーグ の記事一覧>


3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る