満身創痍のガンバ。逆転「J王者」へのカギは、遠藤保仁にあり
まるで昨季の再現を見ているようだ。
2014年11月22日、J1第32節。ガンバ大阪をホームに迎えた浦和レッズは、この試合に勝てば優勝が決まるはずだった。
しかし、ガンバが2-0で勝利。浦和の優勝を阻止したばかりか、勝ち点差を詰めたガンバは結局、残り2節で浦和を抜き去り、逆転優勝を遂げたのである。
そして今季、場所も同じ埼玉スタジアムで行なわれたJリーグチャンピオンシップ(以下CS)準決勝(11月28日)において、ガンバは延長の末に浦和を3-1で下し、決勝に駒を進めた。何やら昨季と同じ逆転優勝の匂いがプンプンと漂い始めている。
そもそもJ1セカンドステージ最終節(11月22日)を前に、ガンバは年間4位に沈んでいた。年間3位のFC東京が最終節で勝ってしまえば、ガンバは終戦のはずだった。ところが、FC東京がサガン鳥栖と引き分けたため、モンテディオ山形を下したガンバが逆転で年間3位となり、CS出場に滑り込んだのである。
つまり、年間4位だったガンバは、J1セカンドステージ最終節で3位へ、CS準決勝で2位へと、次々に順位を挙げ、ついに年間1位のサンフレッチェ広島との頂上決戦にたどり着いた。ファーストステージもセカンドステージも制すことなく、年間3位からの逆転優勝となれば、Jリーグ史上初めてのこと。今季から新たに始まったCSのルールを最大限に生かした、最も効率のいい優勝ということになる。
とはいえ、決戦を前にやはり不安要素もある。
CS決勝で待つ広島が、J1最終節から中9日の間隔を空けて決勝第1戦(12月2日/万博)に臨むのに対し、浦和との準決勝を戦ったガンバは中3日。加えて、準決勝は延長を含めて120分を戦っている。コンディションという点でガンバの不利は否定できない。
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