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満身創痍のガンバ。逆転「J王者」へのカギは、遠藤保仁にあり (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「浦和のDFラインの集中力が切れていた。パト(パトリック)がいい感じで裏へ抜けてくれた」

 遠藤はこともなげにそう語っていたが、一瞬のスキも見逃さない遠藤ならではのアシストだった。

 ガンバにとっては、体力勝負ではどうしても分が悪い広島とのCS決勝。だからこそ、遠藤のような心憎い働きがいつも以上に重要なのだ。

 長谷川監督は頭に思い描くゲームプランをこう語る。

「広島に先制され、60分くらいに浅野(拓磨/足の速いスーパーサブとして、今季30試合に途中出場し8ゴールを記録)を入れられて、自分たちが前がかりになった裏をカウンターで狙われる展開は避けたい。まず(第1戦を)ホームでやるので、先制点を取って広島が前に出てくる展開にしたい」

 そうなれば、FW宇佐美貴史、パトリックを中心としたガンバのカウンターが、逆に広島の脅威になるというわけだ。

 そのためにも安易に攻めに出て、シーズン最多得点の広島に先制されることは避けなければならない。遠藤を軸に慎重にゲームを進めながら得点機をうかがいたいところだ。遠藤は言う。

「僕らはチャレンジャー。(広島の)すばらしい選手、すばらしい組織にぶつかっていきたい。何としても、連覇という目標を達成できればと思う」

 昨季の痛快なドラマをもう一度――。ガンバが描く大逆転のシナリオはまもなくクライマックスを迎える。

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