2度のミスに奮起。広島の逆転劇を生んだ森﨑和幸の「頭脳プレー」
Jリーグチャンピオンシップ決勝第1戦(12月2日/万博)を終えて、ミックスゾーンをあとにするとき、サンフレッチェ広島のMF森﨑和幸はこう口にした。
「あれで、帳消しになったとは思わない」
広島が、ガンバ大阪に3−2と逆転勝利を飾ったが、チーム最古参の森﨑和は2失点のいずれにも絡んでいた。
サンフレッチェ広島の攻守を支える「ピッチ上の指揮官」森﨑和幸。 1失点目は後半15分、DF佐々木翔からの何でもないバックパスをスルーすると、チェックにきていたガンバのFW長沢駿にボールを奪われ、ゴールを許した。
「まずは自分で処理しようと思ったんですけど、(後ろにいたDFの)千葉(和彦)ちゃんが僕の名前を呼んだので『任せろ』ってことなのかなって思ったら、千葉ちゃんは僕からパスを受けようと思って名前を呼んだという、単純なコミュニケーション不足でした。こういう大舞台でやってはいけないミスを犯してしまいましたけど、もうやってしまったことは仕方がないと思って、その後は、まずは1点取り返そうという気持ちでプレーしていました」
2失点目は、FWドウグラスが決めて1−1に追いついた直後の後半36分だった。ガンバにFKを与えると、MF遠藤保仁が入れたクロスのこぼれ球を、MF今野泰幸に叩き込まれた。
その今野のマークをしていたのが、森﨑和だった。
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