もっとチャンスを。ハリルホジッチ監督に求めたい若手の積極起用 (4ページ目)
同時に、SBの若手が育っていないのも事実だ。これはDFラインに3バックを採用するJリーグのクラブが増えたことも要因のひとつにある。また、オリンピック代表の活動があるため、若手を代表に呼びにくいという事情もあるだろう。
ただ、過去の例を振り返れば、長友も内田も代表に呼ばれた当初は荒削りな面が目立つ選手だったが、実戦で起用されることで経験を積み、成長していった。体格の大きさが求められるセンターフォワードやセンターバックとは異なり、SBは日本人が世界のトップクラスになれる可能性があるポジションだけに、長期的なビジョンを持って育ててもらいたい。
W杯出場という目標だけにとらわれて若手の育成をおろそかにしていては、W杯本大会で「グループリーグ突破」という大きな使命を果たすことはできない。さらに、現在の日本代表の主力である本田や香川、岡崎といった選手たちの年齢を考えると、2022年のW杯カタール大会まで戦える選手は多くはない。それだけに、ハリルホジッチ監督は、若い選手に経験を積ませながら日本代表の力を伸ばしていってもらいたい。
著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。
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