J通算得点記録にあと2点。大久保嘉人がゴールを量産する理由

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images Sports

 10月17日に行なわれたサンフレッチェ広島戦でゴールを決めた大久保嘉人は、中山雅史の持つJリーグ通算記録157得点にあと2点と迫っている。

Jリーグ通算155ゴールの大久保嘉人(川崎フロンターレ)Jリーグ通算155ゴールの大久保嘉人(川崎フロンターレ) 大久保が初めてJリーグ得点王に輝いたのは、30歳を超えてからのことだ。2013年、2014年。そして2015シーズンと、3年連続得点王の可能性が高まっている。Jリーグは30歳を超えると"老人"扱いされる珍妙な世界だけに、これは特筆に値するだろう。また、大久保がJリーグのセレッソ大阪に入団したのは2001年だが、川崎フロンターレに移籍してからの3シーズンで66得点。わずか3シーズン足らずで、J1のゴールキャリアの約43%を叩き出しているのだ。

 なぜ、最近になって大久保はゴールを量産しているのか?

「余裕が出たんじゃないかな。サッカー楽しいもん」

 本人は意に介さない様子で言うが、何らかの必然はあるだろう。

「大久保は常にゴールするポジションにいなければならない。中盤に落ちたり、サイドに流れたりするのは"無駄遣い"。彼はゴールするという最も難しい作業を遂行する能力を、ほとんど生来的に持っているからだ。それは誰にでもある才能ではない」

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