J1復帰即優勝もある。沖縄でベールを脱いだ「新生ガンバ」 (2ページ目)
また、今年のキャンプでは、ここ数年、あまり感じられなかったピリッとした緊張感がチーム内に漂っていた。今シーズン、J1で新たなスタートを切ることもあるが、それ以上に大きかったのは、各ポジションで"競争"が生まれたことだ。
攻撃陣では、ブラジル人MFリンス(クリシューマ)を獲得。グループ分けされた練習を見る限り、攻撃的MFはそのリンスをはじめ、倉田秋、二川孝広、大森晃太郎、阿部浩之らが、激しいポジション争いを展開しそうだ。
守備では、ブラジル人DFエブソン(パウリスタFC)が加入し、サガン鳥栖に期限付きで移籍していた金正也(キム・ジョンヤ)が復帰。彼らと既存メンバーである岩下敬輔、丹羽大輝、そしてU-21日本代表キャプテンの西野貴治らが、センターバックのポジションを争うことになりそうだ。そして長い間、加地亮で不動だった右サイドバックにも、ジェフユナイテッド千葉から米倉恒貴が移籍。ふたりの熾烈な争いになるだろう。米倉が言う。
「ガンバは、ボール回しひとつとっても、うまいし、質が高い。個のレベルも高いので、その中で自分もプレイできるようにしたい。攻撃的な自分の持ち味をどんどん出していって、ポジションを取ることができれば、と思っています」
新戦力の加入でチーム内競争を一層激化させ、J2からJ1仕様へと着実にバージョンアップを図っていたガンバ。キャンプ終盤には、今季のシステムも見えてきた。
おそらく、昨季J2で戦ってきた4-4-2の基本システムは変わらないだろう。気になるのは、日本代表の遠藤と今野泰幸のポジションだ。グループ練習から察するに、ふたりとも代表のポジションとは異なり、遠藤はFWで、今野はボランチで起用されそうだ。
昨季の終盤、遠藤の「(ピッチ内を)自由に動く」というFW起用は、攻撃のカンフル剤となった。FW遠藤のパートナーを務めた宇佐美貴史が言う。
「ヤットさん(遠藤)が近くにいてくれるおかげで、(自分は)ゴールを奪うことに集中できた」
昨季後半戦からチームに復帰した宇佐美は、J2でゴールを量産(18試合19得点)したが、その一因としてFW遠藤の存在があったのだ。
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