2014.02.04

セレッソ大阪に加入するディエゴ・フォルランの「意外な素顔」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 ディエゴ・フォルランがJリーグにやってくる――。年俸は6億円。セレッソ大阪も大盤振る舞いに出たものだ。「南アフリカW杯MVP」が名刺代わりの世界のスーパースターは、やはり格が違うということか。

 では、ウルグアイ代表FWフォルランの実力とは?

フォルランは昨年8月の日本対ウルグアイの親善試合でも来日している 世界最高峰のリーガエスパニョーラで2度の得点王(2004-2005シーズン/ビジャレアル時代、2008-2009シーズン/アトレティコ・マドリード時代)に輝いているように、天才的にボールを叩く感覚に優れている。だがそれ以前に、予備動作が卓抜。パスの出し手の動きを計算し、自らの体の向きを調整する。その結果、まるで、”ボールの方がフォルランを恋い慕っている”かのように映るのだ。

「ディエゴはいつもいて欲しいところにいて、パスを受ける態勢を作っていたね。だから、私はそこにボールを流し込めば良かった。そして無理なくシュートが打てるから精度も高い。生まれついてのゴールゲッターだ」

 そう説明していたのは、かつてビジャレアル時代にフォルランとチームメイトで、EURO2008ではスペイン代表を優勝に導いているボランチ、マルコス・セナである。

 フォルランはゴールに向かうとき、一切の無駄を省いている。体幹は非常に強く、当たり負けしないが、不必要なフィジカルコンタクトはなし。マークを外す技術が見事だ。

 たとえば、オフサイドポジションにいたかと思うと不意に消え、再び現れたときにはオンサイドぎりぎりでパスを受け、得点を奪う。素人目には偶然に映るかもしれないが、彼はそれを緻密な間合いと計算の中でやってのける。

 そして特筆すべきは、周囲と強く結びつき、巻き込みながらチームメイトの本来の力以上のものを引き出させる点にある。パスの強弱ひとつをとっても、ディテールが適切なだけに、その後のプレーがスムースになり、受け手はいかんなく実力を発揮できる。

 最善のタイミングでボールを引き出し、収め、戻し、また受ける。その繰り返しはお互いのプレースキルを確実に向上させるのだ。