ガンバFW宇佐美貴史「ドイツでの悔しさは絶対に忘れない」
ガンバ大阪
宇佐美貴史インタビュー(前編)
「昨年は新しいモノに出会って、自分のスタイルがガラッと変わったシーズンだった」
髪の毛を金髪に染めて"金狼"になったガンバ大阪のFW宇佐美貴史は、冷静な口調でそう言った。
FWに転向して新たな才能が目覚めた宇佐美貴史。 昨季、ドイツのホッフェンハイムから古巣のガンバに戻ってきた宇佐美の活躍は神がかり的だった。J2第25節(7月20日)、首位を争うヴィッセル神戸(3-2)との試合で2ゴールを挙げて復帰戦を飾ると、その後もゴールを量産(18試合19得点)し、チームのJ2優勝に大きく貢献した。
2011年夏、ドイツのバイエルン・ミュンヘンに移籍する前は、サイドから仕掛けることにこだわっていた宇佐美だが、昨季はどん欲にゴールを目指して"ストライカー"として覚醒。プレイヤーとして大きく成長したのである。だが、ガンバに合流した当初、宇佐美は自身のFW起用など、まったく想像していなかったという。
「ガンバに戻ってきたとき、(システムが)4-4-2だったんで、中盤のサイドかなって思っていたんです。そうしたら(復帰後)最初の練習試合でFWとして起用されて。まさか9番(FW)のポジションに置かれるとは思っていなかった。でも、それが逆に良かった。ドイツで結果を出せずに戻ってきたんで、(日本で)居場所を確保するには、『数字を出さなあかん』と思っていたんでね。FWはいちばん結果を出しやすいポジションなんで、『勝負やな』って思った」
ドリブルを武器とする宇佐美は、もともと典型的なサイドアタッカーである。FWへのコンバートに、違和感はなかったのだろうか。
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