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サッカー日本代表はワールドカップに向けて「大きな収穫があった」 福田正博が感じたチームの進化 (3ページ目)

  • text by Ichiro Tsugane

【存在感抜群だった前と後ろ】

 ワントップでは上田綺世の存在感が抜群だった。イングランド代表に押し込まれても、上田がハーフウェーライン付近でボールを収めて相手を押し返せるポストプレーは、日本代表が長年苦手にしてきたものだ。それを上田がやれることで、日本代表も落ち着いてプレーできていたように映ったし、彼がピッチにいるのといないのとでは日本代表の戦い方が別物になってしまうほどだ。ここからW杯までに故障なくシーズンを終えてくれるのを願ってやまない。

 同じことはGKの鈴木彩艶にも言える。イングランド戦の終盤、強化試合ということもあって日本代表は相手の空中戦に特別な対策を取らなかったが、それでも守りきれたのは最後の防波堤として鈴木彩艶がいたからだった。高ぶることも荒ぶることもなくチームメイトを鼓舞する。2年前のアジアカップで苦悩した姿から大きく成長した鈴木彩艶がいる。これこそがW杯に挑む日本代表の最大の武器だと改めて感じたほどだった。

 森保ジャパンのイギリス遠征の結果は最良のものになったが、選手たちに浮かれるところがないのがいい。彼らは日常を海外に置いているため、強化試合の意味合いをよく理解しているし、勝利に浮かれる日本の雑音もシャットアウトできる。まずは目の前のシーズンに集中し、コンディションを高めていってもらいたい。

 そして、森保一監督にとっては悩ましい日々がまだまだ続くことになった。今回の遠征で招集していたが、ケガで参加できなくなった安藤智哉や冨安健洋をどうするのか。イギリス遠征に参加したCB陣が役割をきっちりと果たしただけに、難しい決断を迫られるだろう。

 今回のW杯は予備登録が最大55選手で、そこから5月30日までに最大26選手をW杯メンバーに絞らなくてはならない。

 日本代表の次戦は、5月31日のアイスランド戦。W杯に挑む日本代表の壮行試合としての立ち位置になる。この試合に日本代表メンバーとして誰が名を連ねるのか、しっかり見守っていきたい。

著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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