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サッカー日本代表・注目のGK早川友基は「具体的に何がすごいのか?」南雄太が専門的な視点で分析 (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【普通のGKにはできないセービング】

 南氏はGKならではの視点で、さらに早川の特徴を紐解く。

「しかも早川選手には、そこにプラスアルファのテクニックが加わります。たとえば、自分の左側に飛んできたグラウンダーのシュートに対し、左手を伸ばしてセーブする時、単に体→左手の順に伸ばすだけでなく、体を動かす時に右腕もシンクロさせながら動かすことで、最後の最後で左手の届く範囲を広げています。

 これは、ドイツ代表GKの(マルク=アンドレ・)テア・シュテーゲンなどもよく見せるテクニックですが、普通のGKではなかなかできないセービングです。早川選手はそのテクニックをマスターしていて、2024年第17節の横浜F・マリノス戦で天野純選手のシュートを止めたシーン(前半38分)などは、その典型例と言えるでしょう。

 おそらく一般のファンの方には、あれは普通のセービングに見えるかもしれません。でもGK出身者からすると、別次元のセービングですね。しかも、逆モーションであれをやったわけですから、恐ろしいGKだと思います。

 そしてもうひとつ付け加えるなら、早川選手は空中でも最後のひと伸びがある。

 ジャンプしてシュートを止める時、よく見てみると、空中で足を蹴るようにして体を伸ばしているのです。そうすることで、手の届く範囲を広げるテクニックも兼ね備えています。これもヨーロッパのトップレベルのGKが見せる高度なテクニックのひとつで、日本でできるGKはほとんどいません」

 早川が見せるセービングのテクニックを次々と解説する南氏が、さらに続ける。

「以前もお話しましたが、GKには『反応』と『反射』というのがあって、『反応』は来たボールに対して合わせて動くことを言い、『反射』とはまず自分で面を作ってボールを止める動きを言います。

 実は、至近距離のシュートなどギリギリのセービングでは、『反応』ではなく『反射』をしなければならないケースが多いのです。早川選手は、ボールを最後までしっかり見ながら、その場面ではどちらを使うのがベストかを正確、かつ素早く判断することができています。

 ボールスピードに対してプレジャンプのタイミングがずれたり、手を出すタイミングが合わなかったりすると、ボールを弾ききれなかったり、タイミングが合わずにストップできないことがあります。そういう時は『反応』ではなく『反射』を使うことで、よりシュートストップできる可能性が広がります」

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