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サッカー日本代表・注目のGK早川友基は「具体的に何がすごいのか?」南雄太が専門的な視点で分析 (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【GK経験者でなければわからない】

 Jリーグの試合を解説することの多い南氏に、今シーズン目に留まったプレーを聞いてみた。

「ヴィッセル神戸戦(10月17日/第34節)の開始3分、大迫勇也選手の至近距離のシュートを止めたビッグセーブは秀逸でした。早川選手のブロック技術が際立っていたシーンだと思います。

 このプレーは、単に反射でブロックしたのではありません。初期動作の段階で少し前に寄せて、間合いを詰めたうえで体を広げて面を作り、最後の最後で意図的に左足を上げて大迫選手のシュートをブロックしています。

 おそらく大迫選手がシュートを放つ瞬間にボールが浮いていたのを見て、早川選手はシュートも少し浮かせてくると判断したのでしょう。大迫選手も、まさかGKが足を上げてくるとは思わなかったのか、GKの足の上を狙ってシュートしています。

 ところが、早川選手は大迫選手の上をいった。あのわずかな時間のなかでの駆け引きで相手を上回り、最終的に決定機を防ぐことに成功しました。

 あのプレー選択の判断はもちろんですが、初期動作からシュートブロックまでの間に凝縮されたハイレベルなテクニックの数々には、本当に驚かされました。しっかり理詰めで止めているので、あれが単なる偶然ではないことは明らかです。あのワンシーンだけを見ても、早川選手のGKとしてのすごみがよくわかるのではないでしょうか」

 GK経験者でなければわからない数々のテクニック。南氏が解説してくれた早川のプレーを見ると、十分に世界で通用しそうなレベルにあると思われる。しかも現在、鹿島はリーグタイトル獲得に迫っており、仮に優勝したとなれば、間違いなく早川の貢献度が高く評価されるに違いないだろう。

 南氏が「現在の国内最高峰GK」と太鼓判を押す早川の今後に、ますます注目が集まりそうだ。

(第8回につづく)


【profile】
南雄太(みなみ・ゆうた)
1979年9月30日生まれ、東京都杉並区出身。静岡学園時代に高校選手権で優勝し、1998年に柏レイソルへ加入。柏の守護神として長年ゴールを守り続け、2010年以降はロアッソ熊本→横浜FC→大宮アルディージャと渡り歩いて2023年に現役を引退。1997年と1999年のワールドユースに出場し、2001年にはA代表にも選出。現在は解説業のかたわら、横浜FCのサッカースクールや流通経済大柏高、FCグラシオン東葛でGKコーチを務めている。ポジション=GK。身長185cm。

著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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