駒野友一が語る「忘れられない5試合」 ジーコに初めて招集された夜の衝撃「みんなベッドなのに、僕は畳で...」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

── なかなか悲しい経験ですね。それがこの試合を選んだ理由ではないですよね(笑)。

「もちろん、違います(笑)。東アジア選手権は4カ国が参加したリーグ戦で、初戦の北朝鮮戦(0-1)は出られなかったんですけど、メンバーをガラッと変えた2試合目の中国戦でスタメンに入ったんです。

 僕自身は初招集ですし、1年後のワールドカップに出たいという想いを強く持っていたので、すごく気持ちが入っていました。中国が激しくきましたけど、僕自身も負けじと闘えたし、自分のなかで満足するプレーもできたので、思い出に残るデビュー戦になりましたね」

── 年代別代表を経験してきた駒野さんですが、A代表はやはり別物でしたか。

「違いましたね。オリンピックの舞台に立てたのはうれしかったですけど、年齢制限のないなかで選ばれるのは特別ですよね。より重圧はかかりますけど、この試合に関しては思いきってやることしか考えていなかったので、プレッシャーはなかったです」

── 当時はジーコ監督が指揮を執っていましたが、何か言われたことは?

「そんなにしゃべらなかったと思います。初招集だったので『おめでとう』とは言ってもらえましたけど」

── チームメイトの反応はどうでしたか。

「海外組がいなかったとはいえ、中澤佑二さん(横浜F・マリノス)、ヤットさん(遠藤保仁/ガンバ大阪)、小笠原満男さん(鹿島アントラーズ)......などなど、Jリーグで活躍している選手たちがたくさんいました。

 僕自身は事前合宿にも参加していないですし、ほとんどコミュニケーションを取れないまま合流したので、最初は緊張しましたよ。でも、同世代の選手もけっこういたので、彼らに助けられたところは大きかったです」

── 駒野さんにとって忘れられない試合の3つ目はどれになりますか?

「ドイツワールドカップのオーストラリア戦です。大会前の親善試合でドイツとやって、そこで加地亮さん(ガンバ大阪)がケガをして、途中から出ることができました。

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