飛び級で代表に呼ばれる規格外のポテンシャル。20歳のGK鈴木彩艷が見据えるパリ五輪、ワールドカップ、プレミアリーグ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Sponichi/AFLO

---- 鈴木選手は、昨年の東京オリンピックも登録メンバーのひとりとして経験していますね。

「自分は試合に出ていないですし、ベンチにも入れなかったですけど、それでも負けた時の悔しい気持ちは今でも忘れないですし、大会が終わった時に仲間の選手たちから『次、必ず頼むぞ』と言われて、その時に『パリオリンピックは自分が借りを返す番なんだ』と思いました。

 東京オリンピックでは、自分のプレー次第でベンチにも入れるし、試合にも出られるというチャンスがありながら、それを掴みきれなかった部分がありますが、そこで経験できたことは大きかったですね」

---- 今年に入り、U−21代表はすでにドバイカップとU23アジアカップに出場しています。

「ドバイカップでは、守備時においてフィールドの選手がゴールさせない気持ちが強かったので、GKがそこまで活躍することなく無失点で(優勝して)大会を終えられたと思います。

 でも、U23アジアカップは一瞬の隙を突かれてやられてしまったりだとか、(準決勝で)ウズベキスタンに敗れたゲームでは自分たちのプレーができなかった部分もありました。疲労があったり(コロナ感染やケガで)選手がいなかったりというなかでも、自分たちのプレーをしっかり発揮するところは課題だと感じました」

---- とはいえ、U23アジアカップでの活躍もあって、その後のE-1選手権では初めてA代表にも選ばれました。

「チーム(浦和)でなかなか試合に出られないなかでも呼んでいただいたので、周りからしたら『なんでだ?』と思うでしょうけど、自分としてはチャンスだととらえていました。U−15から代表に選ばれてきて、その間ずっと目標にしてきたA代表に初めて呼ばれたことは、本当にうれしかったです。

 ただ、(A代表に)呼ばれたのに(浦和で)試合に出ていない、という危機感が高まったことも確かです」

---- E-1選手権では初戦の香港戦に先発フル出場しました。A代表デビュー戦はどんなものでしたか。

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