オシムジャパン全試合に出場した鈴木啓太。「自分の新たな扉が開いた」という代表ベストゲーム (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 2007年9月11日、翌年にユーロ開催を控えたオーストリア・クラーゲンフルトの新スタジアムで、日本はスイスと対戦。前半は0-2とリードされるも、後半に逆転し、4-3で勝利を手にした。

「スイス戦のあと、オシムさんがそれまでで一番うれしそうな顔をして、ロッカールームで話をしたんです。『おまえたちの戦いはすばらしかった』と。あんなに褒められたのは初めてだったんじゃないですかね」

 だがしかし、アテネ五輪に出場することができず、忘れられない悔しさを味わってから2年。もう一度新たなスタートラインに立つことができた試合は、鈴木にとっては内容以前にそれ自体が特別だ。

「僕個人の思いとして選ぶなら、やっぱりこのトリニダード・トバゴ戦ですね」

(つづく)

鈴木啓太(すずき・けいた)
1981年7月8日生まれ。静岡県出身。東海大翔洋高卒業後、2000年に浦和レッズ入り。以来、2015年まで16年間レッズに在籍。長年、主力選手として活躍した。イビチャ・オシム監督率いる日本代表でも奮闘し、同監督が指揮を執った試合すべてに出場。国際Aマッチ出場28試合0得点。引退後は実業家としても日々奔走している。

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