E-1香港戦、日本代表出場全16選手を独自に採点。「存在感を示した」のは誰か?

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

存在感を示した選手が少なくない

 7月19日、カシマスタジアム。E-1 サッカー選手権決勝ラウンド初戦に臨んだ日本代表は、香港に6-0と圧勝した。

 予想どおり、森保監督が採用した布陣は、4-3-3(4-1-4-1)ではなく、4-2-3-1だった。試合後の会見でも、指揮官は今大会の目標をE-1サッカー選手権で優勝することに置いていると改めて明言している。

国内組で編成したサッカー日本代表は、香港に圧勝国内組で編成したサッカー日本代表は、香港に圧勝この記事に関連する写真を見る つまり、大会前はW杯のメンバー選考について触れてはいたが、実際のところは、今回のE-1サッカー選手権はカタールW杯とは別物ととらえていることが明らかになったと見ていいだろう。

 しかしながら、カタールW杯との関連性が薄いからといって、今大会の意義がまったくなくなるというわけではない。参戦する選手たちにとっては、自らの存在価値を高める絶好の機会になるからだ。

 確かに今回の香港戦の注目度は高くなかったかもしれないが、おそらく7月27日の日韓戦(豊田スタジアム)はそれなりに注目を浴びるはず。その意味でも、香港戦と次戦7月24日の中国戦(豊田スタジアム)は、出場する選手たちにとっては、優勝決定戦になるはずの韓国戦のピッチに立つための、テストの場になると言える。

 その視点に立って見ると、今回の香港戦で存在感を示した選手は少なくなかった。

 この試合で代表デビューを飾った選手は、先発5人、途中出場2人の計7人いたが、とくに西村拓真、水沼宏太(以上横浜F・マリノス)、町野修斗(湘南ベルマーレ)の3人は、数字としての結果を残したうえ、期待以上のパフォーマンスを発揮。相手のレベルとは別に、自らの持ち味を発揮できたという点において、韓国戦でもプレーするチャンスをつかんだと思われる。

 もちろん、2ゴール1アシストをマークした相馬勇紀(名古屋グランパス)も、韓国戦で再びプレーする機会を確実にしたと言えるだろう。

 また、パリ五輪世代として初招集された藤田譲瑠チマ(横浜FM)も、デビュー戦とは思えない落ち着きを放ち、持ち味を発揮できた選手として数えられる。GKが3人招集されているため、鈴木彩艶(浦和レッズ)は今大会再出場の可能性は高くないが、クリーンシートで終えたことで、本人はそれなりの手応えをつかめたはずだ。

 おそらく次の中国戦は、日程的な理由から、サンフレッチェ広島勢を中心としたスタメン編成になるはず。香港戦で温存されたメンバーたちが、どのようなポジティブな材料を残してくれるのか。韓国戦、そして今大会のタイトル獲得を占ううえでも、中国戦は見る側にとって楽しみな試合になりそうだ。

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