福西崇史が選ぶ「歴代日本人デュエル王トップ10」遠藤航は何位?

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

サッカーで相手と競り合い、ボールを奪うプレーは、チームへの貢献度が高く、攻守のなかで頼りになる大切な要素だ。歴代日本人選手のなかで、そんなデュエル王は誰なのか。元日本代表の福西崇史さんに、ボール奪取のデュエルで名人と思う10人を選んでもらった。

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ブンデスリーガのデュエル王になった遠藤航ブンデスリーガのデュエル王になった遠藤航10位 中西永輔(元ジェフユナイテッド市原ほか)

 中西さんは"和製カンナバーロ"というイメージで、身体能力の高さを生かして勝負ができる選手です。こっちが抜いたと思っても足が届いたり、振り切ったと思っても追いつかれたり。体は大きくないんですけど(174cm)、あのサイズでセンターバック(CB)をやりこなせる数少ない選手だと思います。

 身体能力の高さは、デュエルにおいて大きな武器です。インターセプトを狙って前で勝負もできるし、サイドで1対1の勝負もできる。読みが外れた時の修正も利くので、勝負できる幅がすごく広いと思います。

 僕は中西さんのようにスピードはなかったので、フィジカルを鍛えてそこで勝負できるようにと考えていましたね。

※カンナバーロ...ファビオ・カンナバーロ。ユベントスやレアル・マドリードで活躍した身長175cmのCB。イタリア代表主将として2006年ドイツW杯優勝。

9位 吉田麻也(サンプドリア)

 吉田選手はヨーロッパで間合いや駆け引きが成長したことで、イングランドのプレミアリーグという厳しいリーグでやれてきた選手です。イタリアのサンプドリアに移籍してからも、個人での守備力は上がっていると思います。

 プレミアリーグは攻守の入れ替わりが激しく、個人の対応で難しい局面が何度もあったと思います。もちろん、そうした場面にならないように味方と連係して守ることに磨きをかけてきたとも思います。

 けれども、突出したフィジカルやスピードを持った選手がゴロゴロいるので、1対1を避けられない場面もありますよね。その時相手とどう対峙するのかは相当考えたでしょう。スピードのある選手には体を当ててスピードに乗らせないとか、とりあえずバックパスをさせるようにしようとか、裏に行かれた時にはファウルで止めるしかないとか。

 展開も、選手自身のスピードも速いので、求められる判断の速さも相当なものだったと思います。攻撃時から、奪われたあとのポジショニングを常に考えながらやっていたでしょうね。

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