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福西崇史が選ぶ「歴代日本人デュエル王トップ10」遠藤航は何位? (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

5位 遠藤航(シュツットガルト)

 ドイツでプレーすることで、ボールを奪い切る技術が上がりましたよね。大きな選手に囲まれるなかでも、どのタイミングで行けば相手の体勢が崩れるか、ボールを奪えるかを掴んだのだと思います。今シーズンのブンデスリーガでデュエルの勝利数1位というのは、まさにその証明ですよね。

 Jリーグであればフィジカル勝負の奪い方という選択肢はありますけど、ドイツのあの環境だからこそ、フィジカルではない勝負の仕方を学んで、タイミングや読みが洗練されたのでしょう。

 例えば間合いの詰め方。これはボールの出どころへの読みも必要ですが、相手から隠れながらタイミングよく近づいていくのがうまいです。相手がボールをもらう時のちょっと目を離した隙に近づいたり、相手がこちらの位置を確認したあと見ていない時に近づいたり。相手にとっては、気がついた時にはもう遠藤選手に寄せられて、ボール奪取されている感覚でしょう。

 フィジカルで劣る日本人が海外のリーグで勝負する時、相手に先に体を当てられると厳しいと思います。遠藤選手のように読みの速さ、小回りの利くアジリティを生かして、味方をうまく使いつつ奪う。これが、日本人が海外リーグで勝負できるところだと思います。

4位 服部年宏(元ジュビロ磐田ほか)

 服部さんはフィジカル勝負より、読みで勝負するタイプですね。相手の動きを読みながら、自分が勝負できる方向へ持っていくのが本当にうまい選手でした。

 例えば相手がドリブルするコースをわざと空けておいて、来たところでボールをつついたり、ブロックしたりする。相手がかわしたと思ったところでも最後に足が出せて、そこでボールを跳ね返すといったプレーもありました。

 僕もジュビロでの練習中に、「抜いた!」と思ってもなんか引っかかってしまうことが何度もありました。

 ボールを奪うというより、跳ね返す。だから、相手はプレーのやり直しになって、攻撃に時間をかけさせられてしまうんですよね。これはあまり他の人にはないタイプの守り方で、服部さん独特の感覚だったと思います。僕も参考になるなと思って"足残し"はやっていました。

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