福西崇史が選ぶ「歴代日本人デュエル王トップ10」遠藤航は何位? (5ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

福西氏が1位に選んだのは今野泰幸。「ボールの奪い方が非常にクレバー」福西氏が1位に選んだのは今野泰幸。「ボールの奪い方が非常にクレバー」1位 今野泰幸(ジュビロ磐田)

 現役の頃に対戦していちばん嫌だったのが今野選手で、デュエルと聞いて真っ先に頭に浮かんだ名前でした。

 まずボールを取れる時、取れない時の判断がすばらしいですよね。そのうえで取りに来た時のしつこさとパワーがものすごいし、ファウルにならずにボールを奪い切ってしまえる。そこが今野選手の持ち味です。

 いつの間にか接近されていたり、ボールをコントロールしたところへ先回りされていたり、ファウルをせずに体ごと行く時もあれば、読み勝ちでボールと相手の間に体をスッと入れる時もある。ボールを奪いに行く時の選択が、とにかくクレバーな選手だと思います。

 ファウルをしないで奪い切れるのは、相手と接触した時に腰を落としながら、その相手の動きに合わせてついていけるということです。一発で行かず、相手と長く接触するような展開に持っていく。ここのうまさが、今野選手があれだけデュエルで勝てる一番の要因だと思います。

 実際に対戦した時は、本当にやりづらい相手でしたね。次のプレーをしようとしても体を当てられたり、しつこく足が出てきたり。体を入れるのもうまくて、入れてからの強さもありました。

 取られることもたくさんありましたし、取られなかったとしても次のプレーに影響があったりと、ただでは行かせてくれない選手でした。

福西崇史
ふくにし・たかし/1976年9月1日生まれ。愛媛県出身。新居浜工業高校から1995年にジュビロ磐田入り。ボランチのポジションで活躍し、チームの黄金期の主力としてプレーした。日本代表では02年日韓W杯、06年ドイツW杯に出場。国際Aマッチ64試合出場7得点。その後、FC東京、東京ヴェルディでプレーし、2009年に現役引退。現在は解説者として活躍中。

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